ここ最近テレビやネットニュース等で何かと話題になっている鎌倉市の『食べ歩き自粛条例』。
神奈川県鎌倉市議会にて可決された『食べ歩き自粛条例』ですが、3月22日に可決されて以来、この条例に対しては賛否両論様々な意見があり、
- 鎌倉に観光で訪れる人
- 鎌倉で『テイクアウト可能』な飲食業に携わる人
- 鎌倉で飲食以外の販売を行っている人
- 地元に住んでいる住民
- 昨今増えている外国人観光客
こういった様々な角度からの意見もあり、一台観光地である有名な鎌倉だからこそ賛否があるのではないかと思います。
そこで今回は『食べ歩き自粛条例』について、私自身の目で実際に今回制定された『鎌倉市議会の条例文』を見てみたので、その点も踏まえてまとめていきたいと思います。
目次
簡単に言うと、食べ歩き自粛条例とは?何が禁止?
この『食べ歩き自粛』という言葉だけが一人歩きしてしまうと、誤解と混乱を招いてしまうので、最初に言います。
- 狭い場所や混雑した場所で
↓ - 歩きながらの飲食を行う事で
↓ - 他人の衣類を汚す可能性のある行為が禁止 ←1番重要
例えばソフトクリームを食べながら混雑した場所を歩けば、当然他人の衣服を汚す可能性は高いですよね?
特に土日の鎌倉(特に小町通り)は、混雑具合が半端ないですからね。
要は「他人の衣類を汚すのはアカンっ!!」って事が一番重要なんです。
また、この制度には強制力はないので、あくまで各自の裁量・判断に任せられる事になります。
違反した場合の罰則はあるのか
違反した場合も罰則なし
心配なのが、違反した場合に罰則があるのかどうかですが、罰則自体は無いのでちょっと安心しますね。
『食べ歩き自粛条例』の開始はいつから?確定?
2019年4月1日から施行開始で確定!
世間的に話題になったのが最近なので「いきなり!」って感じがしますが、罰則規定などは無いので、これから観光を考えている人も特に心配する必要はありません。
食べ歩き自粛・禁止対象エリアはどこ?小町通りは?
対象エリアや具体的な場所は無し
条例文を見る限りは、特に指定箇所はありません。
ただし具体的にはありませんが、自粛するよう条例で定められているのが、
- 狭い場所
- 混雑した場所
この2箇所となっており、各自の判断で考えて実施すべき事なんですよね。
そもそも『食べ歩き自粛条例』という名称はない
あくまで『マナー向上』の条例の一部
そもそも、この『食べ歩き自粛条例』というのは存在しておらず、あくまで、
『鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例の制定について』
という条例の一部なんです。
マナー向上の目的と狙いとは
本市が「住んでよかった、訪れてよかった」と思われる成熟した観光都市となるため、また、多くの人から愛され、誰もが気持ち良く過ごすことができる場所であるために、市、市民、事業者及び滞在者等は公共の場所におけるマナーの向上に努めるものとする。
※平成31年 鎌倉市議会 2月定例会議案集 その2の105号より引用
正直難しく書いてありますが、結局のところ、
「鎌倉に関わるみんなが気持ち良く過ごすため、しっかりマナーを守りましょう!」
という事ですね。
本条例の狙いとしてはココにあり、『食べ歩き自粛』というのもこの一環であると思います。
マナー向上のため自粛すべき『迷惑行為』のまとめ
このように食べ歩き自粛条例というのは、あくまでマナー向上させるための『迷惑行為』として定められた一つなんです。
罰則規定のある禁止事項は無く、あくまで『マナー』なので当たり前な事が多く含まれていますが、この当たり前をしない・出来ない人が多い為、こういう風に条文化されてしまうんだと思います。
迷惑行為について、下記の通り分かりやすくザッと列挙していきます。
■迷惑行為・一覧
- 車道で通行の妨げになるような撮影を行う事
- 線路など危険な場所で撮影を行う事
- 山道等で本来通行すべき場所から外れて、指定された場所以外へ立ち入る事
- 竹木や植物などを、むやみに伐採・採取・傷つける事
- 燃焼のおそれがある物の付近で火気を使用する事
- 通行に支障をきたすような、誤った情報や看板を設置する事
- 狭い場所や混雑箇所で、走りながら追い越しやすれ違いをする事
- 狭い場所や混雑箇所へ、自転車やバイク等の車両で危害を及ぼすような乗り入れを行う事
- 狭い場所や混雑箇所で、食べ歩きを行う等で他人の衣類を汚くする恐れのある行為
※平成31年 鎌倉市議会 2月定例会議案集 その2の105号より一部内容の引用
①や②は『江ノ電』絡みであるように思われます。
特に②は『鎌倉高校前駅』での写真撮影も問題視されているんだと思います。
漫画『スラムダンク』の舞台ですからね、世界的に有名な漫画なので、日本人もいますが、外国人観光客が本当に多いです。
いわゆる聖地的な場所ですが、そこには線路があり意外と車も往来しているにも関わらず、観光客が立ち止まり通行の妨げになっています。
そして⑨が食べ歩き自粛に関する内容となっていますが、本当に条例の一部である事が分かります。
30代子連れ、神奈川県在住の立場で言うと
夫婦二人とも神奈川県育ち神奈川県在住で、今も昔も鎌倉までは電車や車で程近い所に住んでいるので、地元が鎌倉という友人も結構います。
そんな私たちの立場から、この問題について考えてみたいと思います。
『小町通り』や『鎌倉大仏』の激混みエリアを何とかしたい
ここは元々混雑するエリアで道も狭いですが、最近は外国人観光客も増えてきて増々混雑を極めていると思います。
先日も長谷寺~長谷の大仏方面を車で走らせましたが、道路から人が溢れるくらいにスゴく混んでて、車運転するのも結構気を使いました。
にも関わらず、着物・浴衣なんかで歩いている人もいて、例えばソフトクリームが付いてしまったら最悪ですよね。。。
温かなシーズンが到来すると飲み歩きも多くなってきますし。
かと言って、各報道ニュースなどのインタビューで答えられているように、お店側の立場からすると食べ歩きされないと売上減で困ってしまいますよね。
しかし、店舗自体は狭いためイートインスペースを用意出来ない場所も多いので、例えば、鎌倉市が共通で利用可能なパブリックスペースを用意する等は良いですよね。
実際混雑エリアから一本通りに入った路地なんかは、民家がありながらも「ここ空き家じゃない?」って所もあるので、そういう所をうまく活用出来れば良いのかなって思います。
食べ歩きマナー向上は『子連れ』にとって安心
最近子連れでも鎌倉には行きますが、それでも小町通り等の超混雑エリアには行きたくありません。
単純に混んでいるのもありますが、子供を連れて行くには恐いからです。
例えば、食べ歩きの定番の一つである『団子』の串を手で持ちながら歩いている人がいる事を考えると、極端な話、子供に刺さったらとか怖いですよね。
その点で食べ歩き自粛条例というのは助かる気もしますが、いずれにしても土日の混雑エリアにはまず行きたくありません(笑)
マナーを『向上』させるためには継続性が大切
結局のところ良くも悪くも今回の条例は強制力のある禁止事項が無く、各自のマナーを向上させるように『促している』というだけです。
仮に罰則があるとなれば、
「変な疑い掛けられても嫌だし、ちょっと行くの辞めておくか」
なんて事にもなりかねないので、罰則規定を設けるのは現実的ではありません。
そもそも何を持って『違反対象の状況』であるとするか定めるのは難しいですよね。
いずれにしても大切な事は、今後この条例が忘れられずに、いかに継続性を持って取り組んで向上させていけるかに尽きると思います。
イートインのお店でおすすめは?
「じゃあ混雑してないエリアで良いお店を教えてよ!」って思うと思います。
もちろんおすすめあります!笑
先日も当ブログで記事にしましたが、モンブラン専門店の『鎌倉モンブランスタンド』がおすすめです。
このお店のモンブランはなんと、オーダー後に作り上げて『賞味期限2時間』であるという所に特徴があります。。
鎌倉駅からは徒歩5分程と好立地にあり、駅から由比ヶ浜に向かう方面に位置していながらも、人通りは少なく落ち着いた場所にあります。
普通の観光ルートとは違う場所で、ゆったりくつろいでみてはいかがでしょうか?
まとめ
以上、『鎌倉市の食べ歩き自粛条例』という点について解説してきました。
歴史ある街でありながらも京都等と比べると『コンパクトシティ』である鎌倉だからこそ、今回制定された条例であると思います。
今回の条例がキッカケで賛否両論はあれど、マナー悪化という現実が周知され、様々考えさせるキッカケになったのは良いのではないでしょうか。
その一方で本当にマナーが悪い人というのは、確実な禁止事項を設けた罰則がない限りは、こういう議論も意に介さず、マナーが悪いままであるという点も懸念されます。
ただいずれにしても、一つ思うのがすぐにマナー向上や100%の改善が図れるなんて事はないので、徐々に改善し続けていくことが大事なのではないでしょうか。
鎌倉に訪れる観光客の『意識』もそうだし、事業を営む人たちが『改善策』を考える事もそうだし、そこに鎌倉市自体がどれだけバックアップ出来るか、今後の動向を注視していきたいと思います。